徳間書店 (2004/12/19)
この本はスゴいの一言にかぎる。人生を生きる極意が、深作監督の名作『仁義なき戦い』を教科書としてえがかれている。ビジネス書とも銘打ってあるが、なんの、なんの!これは人生の書、人生を生きるための、そう、サバイバルのバイブルといっても決して過言ではない。ちなみに私は大学教員。中堅です。『白い巨塔』という名ドラマをご覧になられた方々はすでにご存知とおもうが、本業界もヤクザ社会と極めて似ている。ボスが黒と言ったらそれは白であっても黒なのだ。この業界であっても本書は極意書になるのだから、ビジネス界のみならず、わしが人生の書というのも理解していただけるとおもう。もっといってもいい。本書は、兵書の名著たる、かの『孫子』の現代版と断言しちゃる。仁義なき戦いのファンの皆様も楽しめる内容になっているが、なんといっても人生のサバイバルを考える方々にはぜひ一読、いや何回も何回もよんでほしい。なぜならここには人生を生き抜く”答え”があるんじゃけえ。いまいちどいわせてくんない。素晴らしい本ばい、こりゃあ。徳間書店さん、再版をぜひ考えてくれんかいのう?のう?
生命は最も大切なものだ。言うまでもない。しかし条件がある。平時においては、というものだ。一旦危急存亡の危機にある時にはどうか。家族に災禍がふりかかる時、貴方は命をかけて配偶者や子供を守るに違いない。家族は社会の最小単位である。家族が数集まれば集落に、集落が集えば村落に、そして村落共同体は国家となる。家族を祖国におきかえてみたい。祖国が夷敵の脅威にある時、それは家族が暴漢に襲われるのと軌を一にする。その時貴方が一家員として家族を守るのであれば、一国民として国家をも死守せんとするだろう。共同体を守ることは、すなわち家族を守ることになるからである。本作“300”はこの大事をいみじくも想起させてくれる。スパルタ王レオニダスは、ペルシャの侵攻に対し、わずか300人の兵と共にその防波堤となるべく出陣する。ペルシャ軍は百万、比するスパルタ軍並びにギリシャ兵は豆粒ほどの数である。テレモピュライの回廊において激戦善戦するも、裏切り者により退路を断たれたスパルタ軍は完全に包囲されてしまう。レオニダスはしかしペルシャ王クセルクセス隷下に入る事を潔しとしない。奴隷として生きながらえる事はスパルタの辞書にはなかったのだ。スパルタ軍は結果玉砕する。現代人にとっては一見無謀な戦いと映ろう。だが悠久の大義に生きるとき、その死はもはや単なる死ではない。永遠の生なのだ。『May live forever 永遠に生きよ』レオニダス玉砕前の言葉である。ことごとく散華せし300人の魂は、レオニダス最後の言葉にある通り、天下分け目プラタイアの戦いにおいて、ギリシャ連合軍をしてペルシャ軍を撃滅させる役目を果たす。魂は不滅なり。吉田松陰『留魂録』、プラトン『パイドン』、そして邦画『俺は君のためにこそ死ににいく』。いずれも悠久の大義に生きた者々への讃歌である。なお偉作“300”はヘロドトス『歴史』に忠実に活写されている。300 <スリーハンドレッド>(Blu-ray Disc) DVD ~ ジェラルド・バトラー.レナ・ヘディー.デイビッド・ウェナム 価格: ¥ 3,844